七月三十日 雨天 土曜日

現代語訳へ


朝五時半に臥戸を出で居間を掃除し朝飯
を食し、それより髪をくすけづり時計を見て
少しやすみ作文をひっきし、それをはりたる時
は折しも一時五拾分、それより理科を見てあり
しに漸くつかれたれば、我裏庭に出でて色々
の唱歌をうたひしに脳も今はいと青々として
実に愉快になりましたれば、家に来たりて国語を少
し読み又、書取等をなしたりしに日は早や西
に傾きたれば早々と居間を掃除し、夕飯をたべ
暫時休そくして、婦美草を見て九時六拾
五分にて臥戸に入りぬさよなら

『女子理科物理学教科書』明治34年発行