八月廿四日 晴天 金曜日

現代語訳へ


今日もきのふと同じやうに心地宜しく御座ひました
今朝は何となく目が痛くっておそくまでふし戸にあ
りまして六時すぎに出でました、そーして居間を掃除し
朝飯をたべまして、すこしやすみました、而して姉はヴァイ
オリンをひき、私は手吹琴をひきまして本当に面白く
ありました、それから少し休みまして新田川に姉と共に
参りまして、つつみに上りまして景色のよい方をモデルに致しま
したが本当に拙く御座ひましたけれども非常に面白く
御座ひました、それから新片町を通りまして私共の姉
の家に参りまして、まん頭をたべて参りました、それか
ら家にかへりまして御飯を用意致しました、それから食
まして少やすみまして教育を見まして、それからヴァイ
オリンをひきまして夕飯を用意致しました、それから
居間を少し掃除致しましてやすみ四十七士の本を見まして
居りましたが私のおいがまいりましてヴァイオリンをひくやら手
吹琴をひくやら歌をうたったり或は数学を算たり
し十二時に臥戸に入りました

『四十七士実伝』挿絵 楓村居士著 明治後期~大正期発行


『算術小教科書』より分数のページ 明治40年発行