七月二十七日 晴れと曇りのまざり 水曜日

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朝ねむい目をこすりながら起きたら、もはや時計は驚
いたことに六時半に近くなっていたので、急いで居間ぜんぶ
を掃除し、それが終わるとすぐに食事をして、少しの
間休んでいたら、玄関で郵便配達の声がとても勇
ましく聞こえたので、私は急いでそれを取り開いて見たら、そ
れは私の姉からの手紙で、本当に面白くこれを読み
終り、少し姉たちと仲良く色んな話をしていたら、
急に母から言いつけられて、船場町まで使いに行きました。
帰りに役場に寄り、一つ書類を出したら私の兄
の生死不明と知らされ、とても私は驚いてしまい
心の中は悲しみを堪えられないけれど仕方ないので、急いで家
に帰りました。その時はもうお昼御飯の時間で、家
に帰るとすぐ家の人と一緒に食事をしました。
それから少し休んで国語の本を読み、それから米を
他家に持って行きました。それから少し『貴女の栞』を見
て、後は家を片付けたり、居間を掃
除したりしてこの日を過ごしました。
今日はあまりに団子をたくさん食べて、おなか
がぷむぷむふくれてひどく苦しい目にあった
ので、今後はあんまり大食いしないようにと
大変強く思いました。まず今日はこれでさよなら。

(面白い文章)  ※赤字は担任の先生のコメント・講評
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(身内の当然の心情、無理もないことです。これが人情の美のある留書である)
(この心がないのは人ではない。万物の霊長といえない)
 
 
 
 
 
 
 
(一体いくつ食べたのですか。小食は私は適切でないと思うが、しかし
苦しいほど食べるのもよくない)