八月一日 水曜日 曇天

現代語訳へ


来訪者 花園のぶ子
朝四時に臥戸をはなれ、居間を掃除し
居りしに腹が痛みて立居する事
能はず遂に再びふす戸に入りしが
暫時にして全快す、母上を初じめ皆々
喜び、それより卵を二つのみて休み居り
しが早や御ひるに成りしかば、かゆを食
しぬ、而して昨日の日記を書き夕飯を
用意し九時二十分に臥戸に入りぬ

大正2年9月 佐藤とし江(23歳)と母