八月四日 土 雨天

現代語訳へ


来訪者 市原うめを
今朝は殊においしく飯を食して共に姉
共と楽しく話をしながら過ぎぬ
それより日記を書き暫し楽器をひき
太に楽しみ少し本を見たりしか、なかなか
いやに思いたりしが、忍耐して見ました
がやはり古人も云ったやうに「御亀もやまざ
れば千里とか、遂に目的の所まで読み終へぬ
実に忍耐と云ふことは、ゆるかせにされないも
のと心得た
それより市原さんの内に参り吉野先生
に参り楽器をひき色々と慰みぬ、実に帰
る時は花に別かるる心地していとも別
れがたかりしか目医者に行き夕
飯を食し十時頃にふしぬ