目次
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佐藤とし江日記
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暑中休暇の日記
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明治39年
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翻刻
八月拾六日 木 晴天
現代語訳へ
四時に臥戸を出ですぐ便所に参りましたが
太陽は早や東山より出でんとす、其景色
実に舌筆に表はすやうもなく或は、有難
くおかしくうれしく楽しく、ややぼんやり
としてと、こともなしに見つつありしに、母より
の呼び声によりて名残り惜しくも家に帰
りぬ、それより昨日の如く動きまして、本を読み、それ
れを終へまして少し色々の話をなして共に
喜びました、それより夕飯の用意をなす
共に食しぬ