八月拾六日 木 晴天

現代語訳へ


四時に臥戸を出ですぐ便所に参りましたが
太陽は早や東山より出でんとす、其景色
実に舌筆に表はすやうもなく或は、有難
くおかしくうれしく楽しく、ややぼんやり
としてと、こともなしに見つつありしに、母より
の呼び声によりて名残り惜しくも家に帰
りぬ、それより昨日の如く動きまして、本を読み、それ
れを終へまして少し色々の話をなして共に
喜びました、それより夕飯の用意をなす
共に食しぬ