目次
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佐藤とし江日記
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暑中休暇の日記
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明治39年
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現代語訳
同二十八日 土曜日 晴れ 東風激しい
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訪問者 斎藤き江
吹きつける風に恐がらされて、目に見えない天国
で遊んでいたのに、残念ながらうっとうしい
世界の人となりました。ちょうど五時
いつものようにやり終えて、髪を結んでいたら
去年楽しい学び舎を去っていった
私の同級生の齋藤さんが来て、
世間話をして、それから市原
絹子ちゃんの家に行き、一緒に学校に行
きました。楽器を弾いてとりわけ楽しみまし
た。一時間程いて、帰りに柴田さんと佐
藤眼科に行って帰りました。日が暮れて
しまってから夕飯を仕度して食
べ、九時に寝ました。