同三十一日 金 雨

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朝五時二十分に起きて、掃除をしました。
掛け取りに行き、寺町の所で富士村ふじの様
と出会い、少し話をしました。別れて家に帰り、鵜
戸川原村に又掛け取りに行き、一日掛け取り
に行きましたが、やはり不景気のようで、全
く払ってくれない家ばかりで〝骨折り損のくたびれ
もうけ〟でした。掃除をしました。いよいよ
明日は第二学期の始まりで、学び舎
に行く日となりました。ああ月日は矢のようだ、とは
まさにその通りとつぶやきながら、いつの間にか
夢路に入りました。夢の中まで心配
の心。ああ悲しい、矢のような月日よ。
 
体中に毎日毎日の事まだいくらも、
おもしろい事、悲しい事、嬉しい事が
幾らでもありますが、なかなか時間がゆる
さないことですので、心の中にだけ
ひそめてここには記さないでおおよその
事だけ記しました。ただ毎日変らないのは、朝
夕の掃除、家事を手伝った事、眼科
に行ったこと、結髪、入浴だけでした。
 
佐藤とし江