石部の位置

3 ~ 6ページ
石部町は近畿地方のほぼ中央部、東経一三六度三分・北緯三五度〇分に位置している。町の面積は一三・二八平方キロメートルで、滋賀県下では虎姫(とらひめ)町に次いで小さい町であるが、山河に抱かれた豊かな自然と、古来主要な交通路の通過する地域として発展してきた。
 すなわち、町域はその南端にそびえる秀峰阿星(あぼし)山(六九三メートル)を頂点とし、北端を限る近江最大の野洲(やす)川を底辺とする逆三角形の中に広がり、南北方向の長軸が約六・四キロメートル、東西は約三・七キロメートルである。
 行政的には、甲賀郡の石部町(明治三十六年町制施行)に属し、町域の周囲は、西側に栗太(くりた)郡の栗東(りっとう)町、北側に野洲郡の野洲町と甲賀(こうか)郡の甲西(こうせい)町、東側は甲西町の三郡三町に囲まれている。
 石部は、古代から甲賀への入口にあたるとともに、紫香楽宮(しがらきのみや)から阿星山を越え北へ下る通路にもあたっていた。
 江戸時代には、東海道五十三次の宿場町(五一番目の石部宿)として栄えた。現在も旧東海道の北側に平行して国道一号線が通過しており、さらに高速輸送時代を迎えて新たに敷設(ふせつ)された名神高速道路の栗東インターチェンジを、西方五キロメートルの臨町に有するという恵まれた交通環境下にある。
 また、通勤・通学者の多くはJR草津線を利用しており、県庁所在地の大津へ約三〇分、京都へ四〇分、大阪へ一時間一八分と県内はもとより、京阪地域が生活圏に入る利便性をもっている。
 このような恵まれた自然とすぐれた交通位置が、後述するごとき本町の発展と結びついており、さらには将来に向けても活性化への源泉となっていくであろう。

図1 石部町の位置
 滋賀県は、近畿地方北部の内陸県である。県域は、ほぼ近江盆地域を占めており、地形的にもまとまりのよい形態を示す。盆地の中央部に我が国最大の淡水湖「琵琶湖」が存在するのも大きな特徴である。また、日本を横断するJR・同新幹線・国道・高速道などが県内を通過し、交通の要(カナメ)の位置にあたっている。石部町は、県南部で湖東の一角を占め、かつては宿場町として発達、現在も大津・京都・大阪へと通勤でき、恵まれた環境を有している。

表1 石部の諸元
石部の位置東西南北面積海抜
東経北緯最高最低
136°3’35°O’3.7km6.4km13.28km2693m110.8m


図2 石部町周辺の地形図(建設省国土地理院)