小島雄作郵便取扱役

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駅逓寮等外付属格式を申しつけるから一ケ所一人の郵便取扱人を入札で選ぶように、との滋賀県からの通達により、同五年七月より小島雄作が陸運会社とともに郵便取扱人を請負っている。
 それを報告した東京郵便役所への「乍恐御届書」(『藪内吉彦氏所蔵文書』)によると、同五年一月より三月までは、山本順治・奥野宗治郎・花井久六の三人が、四月より六月までは三大寺専治がそれぞれ郵便取扱人を請負っていたようである。
 小島雄作は同三年十月大津で開かれた郵便創業準備会議に石部駅を代表して出席し、さらに同四年二月十八日には水口駅へも出張しているように、郵便御用に熱心であり、石部駅の郵便取扱人としては適任だったと思われる。そして、同六年三月十八日、郵便取扱所をそれまでの元伝馬所より自宅である元本陣に移している。その際の滋賀県庁からの通達及び小島の請書は次のようである(『藪内吉彦氏所蔵文書』)。
郵便御用之義、以来其方ヘ委任候条、更ニ自宅ヘ引移シ御用弁仕スベシ、之ニヨリ郵便事務ニ限リ、以後一名ニテ諸願・伺・願共仕スベキ旨ニ付、御請書差出シ申候
   御請書
郵便御用之義、以後私ヘ御委任ニ相成、就而ハ来ル三月十五日ヨリ自宅ニテ取扱フベキ旨仰渡サレ承知奉候、諸事尽力御用弁仕候、依而御受書差上ゲ奉リ候、以上

  明治六年三月
        甲賀郡第一区石部村
          三百十九番屋敷
             小島雄作
 同十三年(一八八〇)には四等に昇格しているが、郵便局の等格は同十九年まで四等である。
表60 小島雄作の郵便役略歴
明治5.7.12郵便取扱役請負う
6.3.18小島宅で郵便御用開始(石部郵便取扱所)
4. 1石部郵便取扱所は四等郵便役所となる
5. 大蔵省より駅逓寮等外四等格申付られる
5. 1ケ月手当一口米(50銭)筆紙墨料10銭下付
8. 七等郵便役申付られる
9.6.16六等   〃
10. 五等   〃
13.6.21四等   〃
19.4. 1三等郵便局長を命ぜられる
『藪内吉彦氏所蔵文書』より作成