日中戦争の拡大にしたがい、軍需品の生産が増大し、財閥が急成長した。鉄鋼などの重工業を中心にした軍需部門が最優先され、繊維などの民需部門は抑制され、輸出が不振となった。それに財政支出の増大により、インフレが進み、国民の生活は困窮に陥ったのである。同十三年には国家総動員法の成立により、国民生活へのしわよせは顕著なものになった。この法律は政府が軍需のために物資などを独占的・優先的に運用できるものであり、政府が軍需目的で物資をはじめ経済と国民生活を統制することが容易になった。
写185 挙国(町)一致講演会 昭和12年(1937)日中戦争に突入し、同年9月に挙国一致・尽忠報国・堅忍持久を3目標に国民精神総動員運動が各地でくり広げられた。写真は同年7月2日、石部尋常高等小学校講堂で開かれたものである(石部町教育委員会所蔵)。