農業協同組合の事業

681 ~ 682ページ
組合員数は設立当初の昭和二十三年には三六五人であったが、その後増加して同三十五年に四二〇人と最高になった。これ以降、現在まで四〇〇人前後で横バイ状態となっている。
 次に、農業協同組合の主たる事業には営農事業、共済事業、信用事業、購買・販売事業の四つがある。営農事業として、町内の組合員農家から生産米を集荷し、抽出検査の後、農産物倉庫に保管し、他市町村へ出荷する業務を行っている。米以外に、東寺・西寺地区では麦や大豆栽培の集団化・共同化を推進し、転作田の利用方法やミニ野菜団地の育成を行っているが、それらの指導・援助をしている。また、以前には水稲の種子消毒やヘリコプターによる水稲空中防除(昭和四十四年~四十六年の毎年八月)を実施していた。共済事業では、農協共済保険の取り扱い業務を行っている。これは高齢化社会に対応するための生涯保障設計と組合員の生命財産を守るためのものである。本組合の共済保有金高は着実に向上しており、同六十二年には一二八億円となっている。信用事業においては組合員からの預金業務および組合員に対する貸付業務を行っている。設立時からの預金高および貸出金高は年々上昇し、同六十二年は預金高二五億円、貸出金高二億一、〇〇〇万円である。最後に、購買・販売事業は生産資材の販売や生活資材の購買といった業務である。農業経営の安定化・合理化をはかるために農機具や肥料・農薬などの農業資材を共同購入し、組合員に販売している。また、食料品や日常生活品などの生活資材についても関連工場から良質で安全なものを仕入れ、同二十七年に組織された農協婦人部を通じて安価で組合員に供給している。

写191 石部町農業協同組合(昭和20年代末)