東寺・西寺地区においては農業基盤整備事業(団体営圃場(ほじょう)整備事業)が同五十五年度より着手された。この総事業費は三億四、五〇〇万円(このうち七五パーセントが国・県の補助金)で、五年計画で進められた。圃場面積は五〇・三ヘクタールで、一圃場あたりの平均面積は三〇アール(約三反)で造成された。これによって、大型農業機械の導入が可能となり、作業効率が改善され省力化がはかられた。また、同時に阿星地区農村基盤総合整備事業が進められ、二億二、二〇〇万円を投じて基幹農道や農業用水路、集会所その他防火施設が整備された。ただ、前述したように水田の転作対策が求められ、作付の内容は同五十八年度に策定された石部町農業生産総合振興計画を踏まえて進められた。石部町での水稲の基幹品種は日本晴であるが、圃場整備された水田にはコシヒカリを導入し、品種別の団地作付を奨励している。また、小麦(品種:農林六一号)・大豆(品種:タマホマレ)・野菜(露地栽培)などを組み合わせた集団的な高度転作・輪作が行われている。
写193 東寺圃場整備記念碑 圃場整備事業の実施により農業用水路・農道・耕地が整備され、作業能率の改善がはかられた。