大津湖南都市計画区域への編入

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既述したように、町内の農地や山林が造成されて工場や住宅が建設された結果、石部町は著しい都市化が進んだ。こうした状況は全国的にみられ、無秩序で非効率な開発を是正するために昭和四十四年六月に新都市計画法が施行された。この法律にしたがって、石部町は大津湖南都市計画区域に指定された。(設定区域は大津市・志賀町・草津市・守山市・野洲町・中主町・栗東町、それに石部町の三市五町であった。)
 石部町は同四十五年七月に市街化区域(既成市街地と約一〇年以内に優先的・計画的に市街化をはかる地域のことで、開発を許可制度のもとで積極的に推進していく地域)と市街化調整区域(原則として開発を抑制する地域)を設定した。市街化地域は町の中央部がその対象地域で、旧東海道や国道一号線沿い、石部駅周辺、石部地区の丘陵地などが範囲となっている。また、市街化調整区域は石部地区のJR草津線付近の水田地帯や、東寺地区と西寺地区、それに町南部の阿星山を中心とする森林地帯であった。さらに、同年九月に市街化区域における用途地域を指定し、各区域ごとの整備開発をはかることになった。市街化区域は用途別に四つに区分された。住居地域には町営住宅が大規模に建設された地域や、民間企業による新しく大規模な造成・開発された丘陵地が、商業地域には従来より商店の集中している旧東海道沿いと石部駅周辺が、準工業地域並びに工業地域には終戦当時から操業していた工場地域と国道一号線沿いの地域が、それぞれ該当した。