同三十一年十一月に東寺地区、同三十二年四月に石部地区、同三十四年四月に西寺地区に、それぞれ簡易水道が完成し、給水が始まった。同三十六年四月に町内全域の上下水道が整備され、東河原と石部口に水源地が求められた。野洲川の伏流水を取水しており、同四十年に東河原浄水場が、同四十四年に西寺浄水場が建設されて、給水体制を確立したのである。その後、琵琶湖総合開発計画の一環として南部用水供給事業が計画され、石部町も受益地域となった。石部町は宮の森浄水場に管理センターと配水池の受水施設を設置した。南部上水道による給水が同五十三年八月に始まり、琵琶湖の水を利用して安定した供給を得られるようになった。
一方、下水道に関しては、汚染が進む琵琶湖の水質を回復・保全させるために、湖南中部公共下水道事業計画が策定された。計画では町内に一〇の汚水幹線(七、七七三メートル)、一四の雨水幹線(一万五六三メートル)と二つの汚水中継ポンプ場が設けられることになっている。工事は同六十二年一月より五年計画で、総事業費一七〇億円をかけ、平成三年度末に供用開始が予定されている。