日本の歴史で一番長かった旧石器時代は、今から約4万年前から、土器を使い始める約1万3,000年前までの間、おおよそ3万年間は続いた。この時代は最後の寒冷期後半にあたっていて、日本列島の年平均気温は5~7度ほど低かったと推定されている。この気候は、現在の北海道網走(あばしり)市付近と類似するとされ、今は絶滅(ぜつめつ)したマンモスやナウマンゾウなどの大型ほ乳類が生きていた。
長い時代であるにもかかわらず、発見されるものや判明したことは決して多くはない。それは、木や骨あるいは皮製品などの有機質(ゆうきしつ)が、酸性の土壌(どじょう)によって分解されるからであり、旧石器時代の遺跡で出土するのはほとんどが石で作られた道具などである。また、移動生活をしていたために、発見の機会も少ないと考えられている。