3 石器研究の進展

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 旧石器時代は、研究材料のほとんどが石器である。同じ形状の石器を分別することで、当時の人々は、使用目的によって原石を打ち欠いて決まった形に作っていたことがわかり、石器の種類が見極められるようになってきた。また、遺跡から出土する剥片(はくへん)を接合することで、どのような石をどのように打ち欠いて最終的な石器が出来上がるのかを明らかにするなどして、石器を作る技術の研究も進められてきた。

 これらの研究で、現在までに日本列島で確認されている旧石器は、後期旧石器時代と呼ばれている時代に属し、初めの頃には、部分的に磨(みが)かれた石斧(せきふ)(局部磨製石斧(きょくぶませいせきふ))や台形の石器が主流で、次に切る道具のナイフ形石器が多く使われた時期、尖頭器せんとうき)と呼ばれる槍先(やりさき)が加わる時期、木や骨に装着して使用された細石刃(さいせきじん)が主流となる時期を経(へ)て、土器が出現する縄文時代に移っていくという過程が明らかになっている。


後期旧石器時代の石器の変化