守山領内の寺院等はすべて駈入り寺で、領民による駈入りが守山藩成立当初より幕末に至るまで満面開花に展開し、駈入り王国の様子を呈している。
(駈入りの形態)
犯罪人が菩提寺に駈入る(入寺(にゅうじ))。寺は陣屋へ寺抱(てらかか)えを報告(披露)する。陣屋は詮議(せんぎ)(取調べ)のため引渡しを要求するが、寺は幾度も訴願(そがん)を重ねる。陣屋はやむなく寺抱えを許可し、寺は罪の赦免(しゃめん)を求めて訴願を重ねると、陣屋より赦免が申渡される。寺・村役人・駈入り人等の関係者がお礼のため陣屋に出頭し、陣屋は訓戒(くんかい)を与え無罪放免(むざいほうめん)となる。