自治省の「基幹都市構想」により地域開発を進めようと考える郡山市と安積10ヵ町村は、「郡山地区基幹都市建設促進協議会」を組織した。その活動の中心を郡山地区を候補地として内外に宣伝することとしたため、構成市町村の議員による「郡山地区自治振興市町村議会議員大会」や、住民代表による「郡山地区市町村自治振興大会」が開かれた。こうした活動を通じ、指定獲得への機運を高め、これら市町村は新都市づくり一色に染まっていった。
1963年、安積10ヵ町村から成る合併協議会は、12月には郡山市を加えて協議会を開催し、1965年5月1日を期して、郡山市・安積町・三穂田村・逢瀬村・片平村・喜久田村・日和田町・富久山町・湖南村・熱海町・田村町の1市5町5村の合併を決定し、人口21万人余の新郡山市が生まれた。その後、8月には田村郡内の中田村・西田村が郡山市に編入合併し、ここに、面積729.43平方キロメートル、人口23万人余、東北地方では、仙台市に次ぐ人口を持つ大郡山市が誕生した。
(仲村哲郎)
項目 | 決定事項 | ||
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1 合併の時期 | 1965(昭和40)年5月1日 | ||
2 合併の範囲 | 1市5町5村 | ||
3 合併の方法 | 対等合併 | ||
4 新市名 | 郡山市 | ||
5 事務所の位置 | 現郡山市役所 | ||
6 支所の設置 | 現役場を支所とし、現支所・出張所は必要に応じ存置する | ||
7 農業委員会 | 旧市町村を区域として、それぞれに地区農業委員会をおく | ||
8 職員の措置 | ⑴三役及び教育長 | ア 市町村長 | 原則として経過措置期間、新市の参与とする |
イ 助役 | 新市の参事又は一般職とする。ただし参事の任期は、財政の経過措置期間を限度として合併前そのものの属していた職の残任期間とする | ||
ウ 収入役 | |||
エ 教育長 | |||
⑵一般職員 | 原則として、現員現給で引き継ぎ経過措置期間後、新市において調整する。合併後、3ヵ月以内に退職した者には優遇措置をとる | ||
9 議会議員 | 全員を新市の議員とし、任期は2年とする | ||
10 議員の選挙区 | 第一回の一般選挙は、旧市町村を区域とする選挙区を設ける | ||
11 市町村有財産 | 新市に引き継ぐ。財産区は現状のままとする。ただし、片平村についてのみ財産区の新設を認める | ||
12 税率 | 合併年度から2年間は不均一課税とする | ||
13 合併に伴う財政の経過措置 | 2年間設ける |
(『郡山市史6』P515)
(参考文献)
『郡山市史6』・『郡山の歴史』(平成16年版)