郡山市は新産業都市(しんさんぎょうとし)に指定されて以降、工業の集中や人口集中化、自動車交通量の増加などにより、公害の問題が多発した。これらのことを受け、郡山市では、1971(昭和46)年に公害防止条例を制定、1976(昭和51)年には環境汚染の未然防止を図るため、郡山市公害対策センターを開設し、複雑化・多様化する公害問題に対応することとした。
当センターは、市内の公害に対する届出審査、立入検査及び監視測定業務などを行っており、2008(平成20)年には組織改変に伴い、名称を郡山市環境保全センターと変更した。
大気汚染については、1980年代に入り、スパイクタイヤによる粉塵(ふんじん)公害などが問題になった。その後スパイクタイヤは、国において製造・販売中止の調停が成立し、1991(平成3)年3月をもって販売が中止された。
郡山市の大気汚染防止に関しては、大気常時監視システムにより、24時間・365日、二酸化硫黄(いおう)、一酸化炭素、光化学オキシダント等を市内全7ヵ所で監視している。また、そのうち、1996(平成8)年に設置された台新局は、自動車排出ガス測定局として設置され、浮遊粒子状(ふゆうりゅうしじょう)物質、窒素(ちっそ)酸化物、炭化水素、気象等についても測定している。
なお、郡山市内において2004(平成16)年に光化学スモッグ注意報が2回発令され、延べ126人に目やのどの痛み、せきなどの健康被害が生じた。
水質汚濁(おだく)については、生活排水による河川の水質汚濁などが問題になっていたため、1990(平成2)年6月に水質汚濁防止法が一部改正され、これまでの事業場排水などの規制に加えて、新たに生活排水対策の推進に関する規定が設けられた。
郡山市では、1998(平成10)年から環境保全に対する意識の高揚や市内の河川の水質と環境保全を目的とし、住民の協力を得ながら生活雑排水からの汚濁負荷を軽減するための生活排水対策事業を実施した。うねめ団地で行われた事業では、約3,000世帯で実施され、57%の水質改善がなされた。その後、富田町や大槻町等の地区においても実施され、大きな成果を上げた。