2 市議会

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 郡山市議会の選挙は1965(昭和40)年の合併に伴う措置として旧市町村単位の選挙区に分けて行う小選挙区制を採用していた。市議会議員選挙のたびに「全市一区の大選挙区とすべき」という声が上がってはいたものの、およそ20年にわたって小選挙区での選挙が行われてきたという経緯がある。

 1985年の国勢調査で郡山市の人口が30万人に達し、地方自治法による議員の新法定数が現行より4増えて48となるのを契機に、30万都市にふさわしい選挙制度の実現を求める市民団体などからの要望がいっそう高まることとなった。これは「議員は市全体の発展を見据(みす)えた政策立案などを目指すべき」という市民の意思表示でもあり、なかには「小選挙区制は郡山市が進める『五〇万都市構想』『高度情報集積都市』等実現の大きな妨(さまた)げになる可能性がある」と請願(せいがん)を行った団体もあった。

 こうした市民からの意見や要望を受け、市議会は1986(昭和61)年3月に「郡山市議会議員選挙区及び定数調査特別委員会」を設置し、審議を重ねた。かくして1986年7月の本会議において全市一区の大選挙区制とする条例ならびに議員定数を現行の44とする条例が可決され、1987年の選挙から新たな制度が採用されることとなった。議員定数についてはその後、2003年の市議選から2減の42となり、2007年の市議選からはさらに2減って40となっている。

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響により当初予定の4月から9月に延期された2011年の選挙では、6人の女性が立候補し全員が当選した。大選挙区制になった1987年の選挙において初めて女性議員2人が誕生して以来、6人となったのは過去最多である。トップ当選した新人と2位当選の現職がともに女性であったことも特筆すべきことであり、女性の議会活動に対する期待の表れとも言えるだろう。