3 市の災害対策本部と緊急対策

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 郡山市は震度6弱の強震に襲われ、全壊2,433件を含む5万7,530件の住宅被害が生じ、これは中通りでは最大だった。2,565ヵ所の道路・橋梁(きょうりょう)が損壊し、市内各地で水道が止まり、ガソリンや食料も不足したが、市民は冷静に行動し、商店の多くも協力・支援を惜しまなかった。市内の人的被害は死者1人、重傷者2人、軽傷者2人だった。市役所本庁舎は改修が必要と認定されて行政機能は分庁舎や仮設庁舎等に移された。


住宅団地の法面崩落

 郡山市は震災後ただちに郡山市災害対策本部を立ち上げ、市長の指揮のもと、緊急対策をスタートさせた。市内の学校や公民館を緊急避難所に指定して市民を受け入れ、食料品等の支給に全力を挙げた。最大時、105施設に1万13人が避難した。

 郡山市議会も災害対策に尽力した。3月29日に「3.11震災市民生活復興対策本部」を構築し、市民生活・農業・商工業の3つの部会を設けて調査・提言を行う体制を整え、数次にわたって市民生活復興に向けた緊急提言書を市に提出した。提言書では、原発事故による放射線への対策のため市独自のアドバイザーを設置することや子どもたちのメンタルヘルス・ケアなども要請した。