4 インフラ・物流の被害と対策

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 震災によって、経済活動を支える市内のインフラ(社会資本)が損傷をこうむった。法面(のりめん)が崩壊して電柱が傾くとか、電線が断絶するとかの被害が発生し(東北電力郡山営業所管内で5,642ヵ所)、市内全世帯の16%にあたる約3万6,000戸が停電したが、これは丸一日半で復旧を見た。都市ガスにも被害が出た。ガス漏れは道路部分で54件、敷地内で241件あり、完全復旧までに16日間を要した。

 大きな困難を生じたのは物流だった。道路の損傷とガソリン不足に加え、放射能汚染を警戒して運送業者が輸送を拒否する事態が県内外で発生した。震災によって市内の物流は完全にマヒしてしまったが、郡山トラックセンター事業協同組合が市との協定にもとづき緊急物資輸送を行った。通常のルートで物資が流れなくなった状態の下で、臨機応変の輸送や倉庫保管を行う主体が存在することがきわめて重要であることが証明された。ガソリンについても同様で、災害協定にもとづき市が福島県石油業協同組合郡山支部に協力要請することで、緊急車両などに必要な最小限の燃料は確保された。

(清水修二)

食料がないコンビニエンスストア