4 復興という新しいテーマ

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 地震・津波・原発事故という未曾有(みぞう)の複合災害に見舞われ、日本にとって2011(平成23)年は歴史的な年になった。そして福島県の歴史においても、今回の原子力災害は空前の画期となることは確実である。放射能災害は特殊な性格を持ち、放射線の影響がすぐには現れないがゆえに、かえって人々の不安を掻(か)き立て、またその影響の大小をめぐる見方の差異が人々の間に分断をもたらすことが明らかになった。この教訓を未来に生かしていかねばならない。

 また、緊急時対策を含む「防災」は旧来から取り組まれてきたが、大災害が発生した後の長期にわたる「復興」過程をどう構想し、必要な施策をどう実施するかという、新しい政治・行政のテーマを自治体は課せられたものと言えよう。  

(清水修二)