2012(平成24)年から2021(令和3)年までの10年間において、補欠選挙を除き衆議院議員選挙が4回、参議院議員選挙が3回行われた。2012(平成24)年12月の総選挙で自由民主党が大勝し、自公連立による第二次安倍内閣が発足して以降、2014(平成26)年、2017(平成29)年と2度の総選挙に勝利している。
参議院通常選挙においても、自民党は2013(平成25)年、2016(平成28)年、2019(令和元)年と勝ち続けた。安倍政権は2020(令和2)年9月まで存続し、後継となる菅内閣は約1年で退陣するが、第一次岸田内閣に交代直後の2021(令和3)年総選挙においても勝利するなど、自民勢力が突出した10年であった。
一方、民主党は政権末期に大量の離党者を出し、離党した議員は新党「日本未来の党」と合流して2012(平成24)年の総選挙を戦ったが、両党ともに惨敗を喫する。再び野党第一党となった民主党は再起をかけ、維新の党と合流して民進党を旗揚げしたが、2017(平成29)年総選挙を前に結党した「希望の党」との合流をめぐって再び分裂する。旧民主党の流れをくむ立憲民主、国民民主両党が誕生するものの、かつての一大勢力の現出とは程遠く、選挙においては野党勢との共闘に活路を見出すに至った。
現行制度が小選挙区比例代表並立制である以上、政権交代をもたらす「大きな塊」の存在が前提であるが、野党は自民党の独り勝ちを許し、与党批判票の十分な受け皿を国民に提示できないまま推移している。自民・民主両党に対抗する新たな政党「第三極」として注目された「みんなの党」は結党から5年余りで解党し、日本維新の会は他党との合流等を経て一定の存在感を示すものの、これまでに数々の新党が誕生しては消えていった。有権者はもはや政治に対する期待感を喪失しているようにもうかがえ、投票率の低迷という憂慮すべき状況が続いている。