<第23回通常選挙>
任期満了に伴う通常選挙は2013(平成25)年7月4日公示、7月21日に投票が行われ、自民・公明両党が非改選議席と合わせ過半数を大きく上回る議席を獲得した。参議院では政権与党である自民党が過半数を下回る状況が続いていたが、自民党が参議院第1党に復帰したことで、衆参両院の「ねじれ」が解消されるに至った。
今回は242議席のうち121議席が改選となった。自民党は公示前34から65議席と大幅に増やし、公明党は1増の11議席を獲得、自公で76議席を勝ち取った。民主党は44議席から17議席に減らした。選挙区での自民得票率42.74%に対し、民主党は16.29%、比例区は自民党34.68%、民主党13.40%という結果であった。共産党は公示前3議席から8議席に増やした。みんなの党、日本維新の会はともに8議席を獲得。社民党は比例の1議席のみであり、公示前6議席だった生活の党は議席を失った。
本県選挙区では定数が2減となった。これまで自民、民主両党で議席を分け合ってきたが、今回は改選1議席に現職2人、新人4人の計6人が立候補する熾烈な戦いとなった。自民党現職で少子化担当相の森雅子が48万4,089票、このうち郡山市では7万1,152票を獲得して再選された。民主党現職である金子恵美は24万842票(このうち郡山市・3万1,911票)で、両者の間には約2倍の差が付いた。
共産党の新人岩渕友は7万7,401票(同・1万1,329票)、社民党の新人遠藤陽子は3万5,801票(同・5,818票)、諸派の新人酒井秀光と杉内一成はそれぞれ9,860票(同・1,441票)、7,425票(同・1,228票)であった。比例代表では参院にくら替えした公明党の若松謙維(郡山市)が初当選した。旧民主党衆院議員を経てみんなの党から出馬した山口和之(郡山市)も当選を果たしている。本県関係では、このほか自民現職1人が再選された。
今回の選挙からインターネットによる選挙運動が解禁となった。「福島選挙区の各候補者もホームページや交流サイトなどを通して遊説での有権者とのふれあいなどを発信した。ネット選挙を参考にした有権者の7割弱は、当選した自民党の森雅子氏に投票したとみられる。民主党の金子恵美氏は2割強だったほか、他の候補も1割未満にとどまり、森氏に軍配が上がったもようだ」(『福島民友』2013年7月23日)。
郡山市の投票率は48.22%で、県内全市町村の中で最低となった。郡山市の期日前投票者数は3万9,796人。2013(平成25)年4月の市長選挙で20代、30代の投票率が20%から30%台にとどまったことから、郡山市選管は39歳以下の有権者を投票立会人として公募する取り組みを行った。
<第24回通常選挙>
任期満了に伴う通常選挙は2016(平成28)年6月22日公示、7月10日に投票が行われた。改選定数121のうち自民党は50から56議席に、公明党は9から14議席に増やし、自公ともに公示前議席を上回った。
民主党と維新の党が合流し、同年3月に誕生した民進党は公示前45から32議席に減らしている。維新の党とは別に旗揚げした、おおさか維新の会は2から7議席に、共産党は3から6議席へと倍増させた。社民党、「生活の党と山本太郎となかまたち」は2から1議席に減り、新党改革は議席を失った。野党統一候補を擁立した全国32の1人区では11選挙区で勝利し、特に東北6県では本県を含め5勝1敗と「共闘」の戦略が奏功した。
福島選挙区では3年前に続いて改選数が1減となる中で、現職2人、新人1人が立候補した。自民党と民進党の現職2人による事実上の一騎打ちの様相であったが、民進、共産、社民各党の野党統一候補として戦った増子輝彦(民進党)が46万2,852票、このうち郡山市で8万3,344票を獲得し、参院3期目となる当選を果たした。現職閣僚である岩城光英(自民党)は党本部、県連等による強力な支援を背景に戦い、43万2,982票(このうち郡山市・5万6,515票)を掘り起こして猛追したが、あと一歩及ばなかった。
増子は地盤である郡山市を含む福島2区に相当する地域で11万177票を獲得するなど、県内13市のうち10市で岩城を凌ぐ勢いをみせた。増子はかつて新党みらい、新進、民主と渡り歩くなど政界で鍛え抜いた経歴をもち、共闘で臨んだ政党の基礎票に加え、熱心な支援者による「増子票」にも支えられ、与党批判票の受け皿となった。
岩城は地元いわき市など福島5区に相当する地域で10万票を超えるなど浜通りを中心に集票した。増子の得票率は50.50%、岩城は47.24%という接戦であった。新人の矢内筆勝(幸福実現党)は2万653票(郡山市・3,065票)に終わった。比例代表の本県関係では、共産党新人が初当選を果たしたが、新党改革の現職と新人が落選した。
郡山市の投票率は53.46%で、地元から候補者が出たためか前回の投票率を上回った。改正公職選挙法により選挙権年齢が18歳に引き下げられた初の国政選挙であったが、郡山市の18歳投票率は45.41%、19歳は33.15%という結果であった。なお、郡山市選管は今回、期日前投票の立会人として初めて10代の有権者を選定している。これは選挙年齢の引き下げに伴う募集年齢の変更によるものであった。
郡山市では投票所となった大成小体育館で福島選挙区と比例代表の投票用紙19人分を取り違えて配布するミスがあった。14人は実際に投票したが、5人は投票前に気づいたという。用紙違いの投票は無効票となる。期日前投票においては同じ有権者に投票用紙を2回交付し、その有権者が2回とも投票するという事案も発生した。こちらは他の投票用紙との判別が不可能であるため、有効票とみなされる。
<第25回通常選挙>
任期満了に伴う通常選挙は2019(令和元)年7月4日公示、21日投票で行われた。自民党57、公明党14で改選124議席のうち計71議席を獲得した。立憲民主党は17、日本維新の会10で議席数を増やしている。共産党7、国民民主党6、れいわ新選組2、社民党、NHKから国民を守る党が各1議席を得た。
現職1人、新人2人が立候補した本県選挙区では現職・新人の女性2人による事実上の一騎打ちとなり、現職の森雅子(自民党)が44万5,547票を得て3選を果たした。国民民主党の県議を辞して出馬した新人水野さち子(無所属)は野党統一候補として戦ったが、知名度不足もあって34万5,001票にとどまり、森に10万票余の差を付けられた。
森は自民党本部、県連等の手厚い応援に支えられ、元内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画)という実績をアピールするなど組織力を背景に着実に集票しての勝利であった。水野陣営は、郡山が地元の候補者が現職閣僚を破った3年前の勝利の再来を目指し、国民民主、立憲民主、社民、共産各党の支援を受けて地盤の会津地方などで健闘したが及ばなかった。
郡山市での得票数をみると、森6万8,487票、水野5万2,898票、得票率は森53.15%、水野41.05%であった。NHKから国民を守る党は国政で1議席を獲得したが、本県選挙区の同党新人田山雅仁は3万3,326票(このうち郡山市・7,464票)にとどまった。比例代表の本県関係では自民党現職1人、共産党新人1人が当選、郡山市関連では公明党の現職若松謙維が再選された。2013(平成25)年参院選でみんなの党比例代表で当選し、今回は日本維新の会から出馬した現職は落選した。
郡山市の投票率は48.62%で、過去2番目に低かった。市内の期日前投票者数は5万4,680人で投票者数全体の約4割を占めた。