国は、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、「まち」・「ひと」・「しごと」の創生と好循環の確立を目指し、地方創生版・三本の矢などにより、人口減少と地域経済縮小の克服に向けて取り組んできたが、その目標年度となる2019(令和元)年12月には、これまでの取組の評価・検証結果及び近年の社会経済情勢の変化を踏まえ、新たな「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定された。
この第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、地方における人口の急減、高齢化率のさらなる上昇、東京圏への一極集中に伴う弊害の拡大といった危機を国と地方公共団体がしっかりと共有したうえで、地域の強みや魅力を活かした自主的・主体的な取り組みにより、住民の生活・経済圏の維持や生産性向上を図り、人口減少に適応した地域を作る必要性が示されるとともに、四つの基本目標と二つの横断的な目標が掲げられた。
(基本目標)
1.稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする
2.地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる
3.結婚・出産・子育ての希望をかなえる
4.ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる
(横断的な目標)
1.多様な人材の活躍を推進する
2.新しい時代の流れを力にする
これらを踏まえ、2020(令和2)年には、本市においても、これまでの地方創生の取組を評価・検証するとともに、表2により、将来推計人口の修正を主旨とする「郡山市人口ビジョン」の改訂や、以下の新たな六つの基本目標を掲げ、「持続可能な郡山の創生」の加速による「自律的好循環」を生み出すことを主旨とする「郡山市総合戦略」の改訂を行った。
【1 DXに対応した生産性の向上と魅力ある雇用環境の創出】
圏域内外の多様な研究機関と連携した経営拡大や多角化、海外進出支援、起業・創業や地域企業の事業承継への環境整備と、安心して働ける良質な就業機会の創出
【2 地域の魅力発信と「関係人口」の創出】
安積疏水に代表される豊かな地域資源と拠点都市としての強みを生かし、多くの方が郡山市に「住む」・「訪れる」流れの創出、様々な地域とのつながりの創出と、人材の定着・還流の推進
【3 切れ目無い子育て支援と女性・子育て世代の活躍推進】
結婚・妊娠・出産・育児の希望をかなえ、もう一人生み育てられる切れ目ない支援及び女性が社会参加できる環境の創出
【4 住民・企業が集う気候変動対応型まちづくりの推進】
中枢中核都市として、ひとや企業が集い、安心して暮らせる気候変動対応型のまちづくりとセーフコミュニティの実現
【5 あらゆる世代が居場所と役割を持ち生きいきと暮らせるまちづくり】
社会全体で支えあい、誰もが将来に渡り安心して健やかに暮らせる「生涯現役の社会づくり」の実現
【6 教育の質の向上と誰もが楽しく学べる環境づくり】
ICTの進展やグローバル化に対応した、一人ひとりの心が充実する教育環境の整備と地域を担う人材の育成
時期 | 内容 |
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2019(令和元)年8月 | 市民会議(計3回開催) |
2020(令和2)年1~2月 | 郡山市まち・ひと・しごと創生総合戦略有識者懇談会(計2回開催) |
2020(令和2)年2月~3月 | 郡山市人口ビジョン2020改訂版・総合戦略2020改訂版素案の公表 |
パブリックコメントの実施 | |
2020(令和2)年3月 | 郡山市人口ビジョン2020改訂版・総合戦略2020改訂版策定 |
また、SDGsにおいて示された2030年の17の分野別目標や、5G時代に即応できるDX(デジタルトランスフォーメーション)に率先して取り組み、さらには、近隣市町村とともに持続可能な圏域を目指す「こおりやま広域連携中枢都市圏」など、将来の発展に資する新たな動きを取り込み、2025年度を目標年度とする本市最上位計画である「郡山市まちづくり基本指針」に掲げる将来都市構想を基本に、バックキャストの視点のもとで、「気候変動対応型課題解決先進都市の創生」の実現に向け、更なる地方創生の推進に努めることとした。