(2) 市民の反応

 2011(平成23)年度から2013(平成25)年度の3年間、通学路等子どもたちが過ごす時間が多い場所における放射線量の低減を図るため、町内会等が実施する除染作業に係る経費が支援された。この線量低減化支援事業は市町村を経由する県の補助事業であり、市内では921件の活動が行われた。

 市民意識調査各年度(2012(平成24)年まで市民満足度調査、2013(平成25)年から2017(平成29)年まで市民意識調査、2018(平成30)年以降市民意見レーダー)における市の住みやすさへの評価をみると、「住みやすい」及び「どちらかといえば住みやすい」の合計値は、原発事故前は74%台であったが、原発事故後の2011(平成23)年は66.2%、2012(平成24)年は70.2%に落ち込んだ。2012(平成24)年調査において東日本大震災・原子力災害からの復興について尋ねた項目では、「住宅や道路、公共施設などの空間線量の低減化が図られているか」の重要度が高いとの回答が多い一方、その満足度は低いとの回答が多かった。しかし、住みやすさへの評価は、2013(平成25)年には事故前を上回る約77%に回復し、その後8割程度まで向上している。2021(令和3)年調査におけるまちづくり44施策への満足度平均得点のランキングでは、「除去土壌等の搬出」は「医療」に次いで2位であり、満足度が高い施策だといえよう。敷地内に保管されている除去土壌等を掘り起こして積込場へ集約する搬出作業や、国の中間貯蔵施設への輸送が2021(令和3)年度に概ね完了する見込みであったことが、市民の評価につながったと考えられる。