2012(平成24)年度に福島県が主体となり、郡山市内の喜久田、富田、日和田、富久山といった民間の区画整理組合所有の土地を中心に取得し、双葉郡からの原子力災害避難者向け先行整備分の復興公営住宅160戸の建設に着手した。整備には東日本大震災復興特別区域法に基づく復興交付金が活用された。市内でもっとも入居開始が早かったのは、2014(平成26)年11月に入居が開始された日和田団地(20戸、当初は富岡町民対象)、八山田団地1号棟(20戸、当初は双葉町民対象)であった。その後、市内には積層型の集合共同住宅を中心に合計570戸の原子力災害避難者向け復興公営住宅(県営住宅)が建設された。入居開始当初における避難元の割り振りは、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町の4町とされ、棟ごとに入居する町が割り振られた住宅がほとんどであった。原子力災害避難者を対象とした復興公営住宅は福島県内に4,389戸建設されていることから、郡山市内にはその約13%が立地していることになる。先行整備160戸を除く410戸は、2013(平成25)年3月の福島復興再生特別措置法改正に基づき創設された長期避難者生活拠点形成交付金(のちの広義の福島再生加速化交付金の一つ)による災害公営住宅整備事業により供給された。市内における最後の入居開始は守山駅西団地の2017(平成29)年3月であった。
各団地では、県のコミュニティ形成事業の委託を受けたNPO法人みんぷくのコミュニティ交流員の尽力等によって入居者の自治会がいったんは設立されたところが多かったが、時間の経過とともに入居者の高齢化等により休止状態の団地が増加している。また、団地周辺の多くは新興住宅地で、地縁組織の活動が住民に浸透した状況にあるとは言い難いこと等の影響も一因に、一部の復興公営住宅団地自治会を除いて周辺の町内会等地縁組織への加入は進んでいない。