2019(令和元)年10月12日から13日にかけて、台風第19号が福島県内を通過し、豪雨により阿武隈川上流では、戦後最大であった1986(昭和61)年の8.5洪水や平成の大改修の契機となった1998(平成10)年の8.27洪水を上回る雨量となり、須賀川市では阿武隈川の堤防が決壊した。郡山市内でも、12日正午から13日4時までに、中田ふれあいセンター(東部)で284.5mm、福島河川国道事務所(北部)で218.0mm、郡山市役所(中央)で173.0mmと、観測史上1位となる降水量となった。阿武隈川が6ヵ所で越水、1ヵ所で溢水し、谷田川で2ヵ所決壊、藤田川で1ヵ所決壊、逢瀬川と笹原川でも越水があった。工業団地や住宅地など合わせて1,437haが浸水するなどして、7歳から69歳までの6人が亡くなった。2020(令和2)年12月21日までの被害の状況は、り災証明申請時の被災者の申告によると、床上浸水6,814件、床下浸水929件、その他1,145件であり、り災証明書の発行件数は、全壊1,489件、大規模半壊2,134件、半壊5,182件、一部損壊2,441件であった。道路については、法面崩落、倒木、冠水等の被害が530件発生した。市内企業等の被害総額は625億6,200万円、農産物等の被害は24億5,759万8,000円にのぼった。学校、庁舎、保健福祉施設等の公共施設の被害は36ヵ所に及び、年間のごみ排出量の1割を超える災害ごみが発生した。