a 郡山市の卸売業
卸売業の現状は、『資料編』(第4編・9-4-1)のとおり、2012(平成24)年から2021(令和3)年にかけて、事業所数は21店増加、従業者は794人増加、年間販売額は2,132億円増加している。
2012(平成24)年の卸売業の年間商品販売額は7,631億円で、業種別売上が最も多いのは、食料・飲料が1,803億円(23.6%)、次いで医薬品・化粧品等1,037億円(13.6%)、農畜産物・水産物856億円(11.2%)の順で、3業種で48.4%と半数近くを占めている。2021(令和3)年は、食料・飲料が1,951億円(20.0%)、次いで産業機械器具が1,141億円(11.7%)、農畜産物・水産物が1,084億円(11.1%)の順となって首位は変わらないが、第2位は産業機械器具に入れ替わった。2012(平成24)年と2021(令和3)年比で構成比の増減をみると、最も増加幅が大きいのは、産業機械器具で2.8ポイントの増、逆に減少幅が最も大きいのは医薬品・化粧品等で3.7ポイントの減となっている。
b 南東北総合卸センター協同組合
南東北総合卸センターは、東北自動車道と磐越自動車が交わる郡山IC近くの約13万坪の敷地にあり、商圏人口が100万人を超える郡山市場を基盤としながら周辺市場をも戦略化できる環境にある。現在の業種別構成は、建設資材・設備20社、食料品14社、環境・衛生9社、特殊専門品等9社、情報通信・事務機8社等の計83社である。
c 郡山市総合地方卸売市場
福島県中央部の人々の拠点市場として2002(平成14)年に開場、全国の公設地方卸売市場において、有数の規模を誇る総合卸売市場である。入場業者は、水産物部(卸売1社、仲卸5社)、青果部(卸売3社、仲卸5社)、花き部(卸売1社、仲卸1社)、その他関連事業者16社となっている。この間、2013(平成25)年に開場10周年記念市場まつりを開催、2019(令和元)年には大規模改修(冷凍・冷蔵設備、空調設備等)に着手した。2020(令和2)年には新しい生活様式に対応した「ドライブスルー市場」を開始した。2012(平成24)年度比の2021(令和3)年度の取扱高は、表5のとおり、合計で119.1億円減少している。うち116.7億円を水産物が占めている。その要因としては、原発事故による風評被害と、震災により、沿岸漁港が壊滅的な被害を受け、遠方産地や他市場を通しての集荷に依存せざるを得ない状況があったこと、それに加え、少子高齢化等により食料消費の減少、コンビニエンスストアやネット取引の増加、消費者の「魚離れ・野菜離れ」の影響等による食料消費・小売形態の変化や消費者ニーズの多様化、市場外流通の増加等により市場経由率が低下したことなどがある。
2012
(平成24) 年度 |
2013
(平成25) 年度 |
2014
(平成26) 年度 |
2015
(平成27) 年度 |
2016
(平成28) 年度 |
2017
(平成29) 年度 |
2018
(平成30) 年度 |
2019
(令和元) 年度 |
2020
(令和2) 年度 |
2021
(令和3) 年度 |
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水産物 | 181.4 | 182.1 | 167.8 | 124.9 | 96.8 | 90.5 | 81.8 | 77.0 | 67.7 | 64.7 |
青果物 | 84.4 | 84.7 | 85.6 | 90.2 | 93.8 | 90.4 | 85.9 | 80.1 | 83.0 | 83.8 |
花き | 11.3 | 11.2 | 10.9 | 11.6 | 11.6 | 10.9 | 10.5 | 9.7 | 8.5 | 9.4 |
合計 | 277.1 | 278.0 | 264.3 | 226.7 | 202.2 | 191.7 | 178.3 | 166.8 | 159.2 | 158.0 |
出所:郡山市統計書 郡山市政策開発部政策統計課 注)千万円未満四捨五入のため総額とは一致しない。 |