(1) 復興基本方針

 国の東日本大震災復興基本方針に基づいて、被災地の各県、市町村で復興計画が立てられた。郡山市では、2011(平成23)年12月に「郡山市復興基本方針」が策定された。復興に向けた重点施策として、「原子力災害対応」「市民生活の再生」「産業の再生・発展と雇用の創出」「防災体制の再構築」「エネルギー社会の構築」の五つの柱が掲げられた。五つの柱に関する具体的な施策は次のとおりである。

 「原子力災害対応」は、住宅等の除染、放射性物質の検査、放射性物質を含む汚泥等の処理、放射線に関する情報収集・発信、放射線に関する研究機関の誘致、損害賠償の支援と実施、他市町村からの避難住民への対応である。「市民生活の再生」には、被災者の生活支援、道路や公共施設等のインフラ復旧、心のケアや子育て環境の充実が挙げられている。「産業の再生・発展と雇用の創出」には、農業や商工業の再生、観光業の活性化、雇用機会の創出、企業誘致が含まれている。「防災体制の再構築」には、地域防災計画の見直し、地域コミュニティ等の体制強化、防災教育の充実化、耐震化の推進、災害に強い交通体系の整備がある。「エネルギー社会の構築」には省エネの推進、再生可能エネルギーの導入・普及が示されている。