(2) 浸水対策

 度重なる浸水被害の軽減をはかるために、郡山市では2014(平成26)年9月に「郡山市ゲリラ豪雨対策9年プラン」が策定された。このプランは、2013(平成25)年4月に国が創設した「100mm/h 安心プラン」制度に基づくものである。東北地方では、郡山市が初めて同制度に登録された。

 「100mm/h 安心プラン」は、浸水被害軽減をはかる取り組みを定めた計画を市町村が策定し、それを国が登録し重点的に支援するものである。具体的な取り組みとしては、河川管理者及び下水道管理者による河川・下水道の整備に加えて、住民や民間企業参画のもとでの、雨水貯留浸透施設の整備や危険情報の周知体制の構築が挙げられる。

 「郡山市ゲリラ豪雨対策9年プラン」は、2014(平成26)年度から2022(令和4)年度までの9年間の計画で、事業費総額が235億円である。主要事業は、雨水貯留施設整備を中心とする下水道整備に加え、3次元浸水ハザードマップの作成である。雨水貯留施設は、内水氾濫被害が多発している麓山地区、静御前通り地区、郡山駅前周辺地区、東部幹線地区、大河原地区の5地区に整備された。これにより、38,270立方メートルの雨水を貯留することができる。雨水貯留施設と止水板設置により、局所的な豪雨による浸水被害の軽減につながることが期待されている。