(2) 大学や企業との連携

 産総研は本県の復興に貢献する産業技術の確立や振興に向け、県内外の大学や企業と連携して研究開発を進めている。開発した技術を県内企業に移転し、関連産業の育成につなげる。

 福島再生可能エネルギー研究所開設前の2012(平成24)年2月には、福島大と連携協力協定、教育協力研究協定を結んだ。研究所開設後の2015(平成27)年には会津大、いわき明星大(現・医療創生大)、日大工学部、福島高専と相次いで連携・協力に関する協定を締結した。福島大は次世代太陽電池、会津大はスマートグリッド(次世代送電網)情報基盤、いわき明星大は小型風水車発電システム、日大工学部は浅部地中熱利用の分野での研究を協力して進めた。

 若い人材の育成も積極的に展開している。2014(平成26)年には、研究プロジェクトに従事する大学院生を雇用する「リサーチアシスタント制度」を創設し、県内外の優秀な人材を採用している。県内からは福島大、会津大、日大工学部の学生らが採用され、大学に身を置きながら月に数日間、福島再生可能エネルギー研究所に勤務し、研究の一翼を担っている。

 セミナーや講演会も数多く展開している。主催するだけでなく、公的機関や経済団体の講演会などでも研究者が講師を務め、水素や地熱、風力、太陽光などに関する知見や最新情報を発信している。