ワイナリー誕生を受けて、郡山市内の6軒の農家が「郡山地域果実醸造研究会」を組織し、ワイン醸造用ブドウの栽培を始めた。2016(平成28)年には加盟農家は9軒に増え、研究会は郡山市とともに6次化を担う人材の育成に乗り出した。キリングループの「復興応援 キリン絆プロジェクト」の支援を受け、ブドウの栽培にとどまらず、醸造の技術、酒類販売に関する法令、販売戦略の手法までを学んだ。2018(平成30)年には、郡山市内で収穫されたブドウが初めて逢瀬ワイナリーでの仕込みに使われ、名実ともに「郡山ワイン」が2019(令和元)年に初出荷された。「郡山ワイン」の商品名は「Vin de Ollage(ヴァン・デ・オラージュ)」。フランス語のワイン=Vinと福島の方言で「自分の家」を意味する「おらげ」をフランス語風にした言葉を組み合わせ、「おらげのワイン」と誇れるようにしたいとの思いを込めた。研究会加入農家は13軒まで増えている。
逢瀬ワイナリーを会場に2017(平成29)年、初の「ふくしまワイナリーフェス」が開かれた。二本松市のふくしま農家の夢ワイン、いわき市のいわきワイナリーも参加し、ワイン販売や野菜、加工品などをマルシェ形式で売り出した。イベントは毎年のように開催され、2021(令和3)年10月10日、開設以来の累計入場者が5万人に達した。同年11月には、ブランドコンセプトを「めぐる果実。つながる福島。」に変更した。県内産の果実の魅力を広く発信したいとの願いを込めた。