福島交通は、郡山支社で管理するバス166台のうち90台が水没する被害を受けた。郡山市向河原町の駐車場が10月12日夜から一気に浸水し、バスを退避させる措置が間に合わなかった。13日以降の路線バス運行がままならなくなり、JR郡山駅前発着の137路線が16日まで終日運休となった。17日から徐々に運行が再開されたが、しばらくの間、多くの市民の通勤、通学に影響が出た。
郡山市を通るJR東日本の在来線は、線路内の倒木や土砂の流入によって復旧まで長い時間を要した。東北線は10月18日に安積永盛-本宮間で運転を再開したが、全線開通は29日になった。
ゴミ処理施設の富久山クリーンセンターの浸水被害も市民生活に大きな影響を与えた。センターは約2ヵ月にわたって使用できず、通常の生活ごみに災害ごみが加わり、膨大な量の廃棄物処理が滞った。
市内に本社を置く、ラーメンチェーン大手の幸楽苑は郡山中央工業団地の郡山工場が浸水し、1ヵ月近く食材を生産できない状態が続いた。神奈川県の小田原工場で増産体制を取ったが、店舗の営業時間を短縮せざるを得なかった。浸水被害で家庭の台所が使えず外食に頼る市民にとって大きな影響だった。