(3) 経済団体が支援の輪

 飲食店などの窮状を受けて郡山商工会議所をはじめとする市内の経済団体、飲食業関係団体は、相談会の開催や公的機関への支援要望活動、新たな販路拡大の展開などに奔走した。

 郡山商工会議所は2020(令和2)年1月29日に経営相談窓口を開設、3月からは企業の雇用維持を支援する国の雇用調整助成金に関する特別相談会を始めた。当初、毎週木曜日の開催だったが、5月からは毎週火曜日と木曜日の2回にした。市内の12商工会で組織する郡山地区商工会広域協議会も会員からの相談受け付けに力を入れた。2019(令和元)年10月の台風19号による被災と二重苦になっている事業所もあり、きめ細かな対応が求められた。

 郡山商工会議所は、関連団体とともに市と市議会に再三にわたってさまざまな支援を要望している。2020(令和2)年4月28日には、郡山美味しい街づくり推進協議会とともに飲食店への家賃補助などを要望した。郡山商工会議所、郡山地区商工会広域協議会、市商店街連合会、商店街きらめき21研究会は4団体合同で2020(令和2)年7月7日、事業者への支援とコロナ収束後の経済回復に向けた取り組みを求めた。商工会議所と広域協議会、商店街連合会の3団体は2021(令和3)年3月17日と10月15日にも、消費喚起への支援策や売上減少への補助、事業と雇用継続のための市独自の資金繰り支援の拡充など、その時々の事業者の思いを代弁した。郡山飲食業組合と郡山社交飲食業組合などは市民や飲食店従業員ら8,813人の署名を集めて2021(令和3)年9月24日、市に支援を求めた。市農業委員会は2020(令和2)年10月1日、農家に対する所得補償や農業振興を求め、JA福島さくらは同年12月に感染拡大で主食用米の消費が低迷する事態を受けて飼料用米、輸出米への転換推進に関する補助制度の充実を要望した。

 停滞する経済活動を活気づけるために郡山商工会議所は2020(令和2)年4月、「販路開拓SOSプロジェクト」をスタートさせた。会議所のホームページに専用掲示板を設け、事業所のテイクアウトやデリバリーの情報などを紹介した。2021(令和3)年6月には「コロナ支援まとめサイト」にリニューアルした。テイクアウトやデリバリーに加え、金融支援策、オンラインセミナーの案内、感染防止商品の紹介コーナーなど設け、内容を充実させた。