(4) 営業継続への工夫

 逆境が続く中、事業所や飲食店は「三密の回避」を重視した事業展開に工夫を凝らした。店内での飲食が制限された飲食店はデリバリーやテイクアウトに力を入れた。持ち帰りや宅配に適した新しいメニューが開発され、専用の容器も造られた。SNSを通して注文を受けるサービスを始める事業所もあった。幸楽苑ホールディングスは市内の西条タクシーグループ、フタセ交通と業務提携し、料理をタクシーで配達する出前を始めた。生き残りを懸けた懸命の営業努力が続いた。市も飲食店応援のために市の公式インスタグラムで市内のテイクアウトグルメを投稿してもらうよう呼びかけた。

 市総合地方卸売市場は2020(令和2)年6月、公設市場では東北地方で初めてドライブスルー方式の「市場の朝市」を催した。一般消費者を対象に鮮魚や野菜、果物を格安に提供してきた「市場の朝市」を、事前に商品の購入申し込みを受けて箱詰めして車で取りに来てもらう方式に変えた。コロナ禍以前は月に1回だった朝市を多いときには毎週実施に増やし、2021(令和3)年も継続している。

 車に乗ったまま巨大スクリーンで映画を楽しむ「ドライブインシアター」も開催された。「ドライブインフェスタ郡山」と銘打ったイベントは、クラウドファンディング方式で賛同者を募り、2020(令和2)年8月14、15日に郡山カルチャーパーク駐車場で実施した。映画の終了に合わせ、安積町商工会の打ち上げ花火も実施され、車の中から見上げるという密にならない環境で花火を楽しんだ。フェスタは2021(令和3)年10月にも催された。