(2) 放射線量による影響と除染

a 学校関係における除染

 郡山市は、2012(平成24)年5月7日、公立の小、中学校と保育所で側溝など局所的に放射線量が高い箇所の除染を開始した。初日は、片平、喜久田、薫、白岩の4小学校と安積、熱海の2保育所で実施した。側溝や側溝のふたにたまった落ち葉や泥を取り除いたほか、周辺の表土を3~5cm程度除去した(『福島民友』2012年5月8日)。

 また、4月から公立小中学校プールのモデル除染に取り組んでいる郡山市教委は14日、市内の残り78校のプール除染を開始した。小中学校のプール授業の再開については、モデル除染の結果などを踏まえ市教委が検討を続けていた(『福島民報』2012年5月16日)。


b 学校の自校給食における食材の線量測定開始

 郡山市内で自校給食を実施している小、中学校64校は、2012(平成24)年8月23日、2学期の給食用食材について放射性物質検出器による測定をスタートさせた。8月28日から2学期の給食が始まるのを前に子どもたちの内部被ばくを防ぐための安全・安心の取り組みが始まった。放射性物質検出器は自校給食を行う全校に設置された。市独自の基準値である1kg当たり10ベクレルを超える数値が調理前の食材から検出された時は、産地を変えて再検査する。再検査でも超えた場合と給食1食分から10ベクレルを超えた際は、非常食で対応することとされた(『福島民報』2012年8月25日)。


c 一般住宅における除染

 郡山市の一般住宅の除染作業は、2012(平成24)年11月30日にスタートした。市内池ノ台で開始し、順次、第1弾に指定している住宅や店舗など約3,600件の除染を進めることとし、市が発表した。市によると、30日は市の発注を受けた郡山市除染支援事業協同組合の業者が、池ノ台の住宅一戸で庭の表土を除去し、雨どいの汚れを拭き取る予定とした。除去した表土は住宅敷地内に埋設し保管することとし、市はこれまで住宅のモデル除染を行ってきた。一般住宅除染は2012(平成24)年度中に約14,000件に着手する見込みであった(『福島民報』2012年11月30日)。