(2) 台風19号による被害と対応

 2019(令和元)年10月12日(土)午後、東日本を縦断した台風19号の影響で13日未明にかけて記録的豪雨となり、河川の氾濫や土砂崩れなど被害が相次いだ(『福島民友』2019年10月14日)。郡山市における気象庁発表の12時間降水量は、170.5㎜で観測史上1位となった。人的被害は死者6名、負傷者1名、家屋被害は、浸水被害21,331世帯となり、全世帯の14.9%を占めた(郡山市(2023年7月28日)『郡山市公式ホームページ』<https://koriyama.lg.jp/site/6835.html>)。

 福島県を南北に貫く阿武隈川。郡山市では13日、3ヵ所で氾濫し、JR郡山駅東側の一帯が水浸しとなった。福島交通郡山支社の一帯も冠水した。バスは運転席の辺りまで水に浸かっていた(『読売新聞』2019年10月14日)。

 学校では、帝京安積高校の1階約1.5mが浸水した。そのほか、郡山市では小泉、永盛、赤木の3校が浸水被害を受け電気系統の故障などで復旧の見通しがたたず休校にした(『福島民報』2019年10月16日)。

 福島交通によると郡山支社では、管理するバス166台のうち90台が水没し、JR郡山駅発着の137路線が終日運休となった。JR東日本によると台風19号の影響で15日は上下線計213本が運休した(『福島民報』2019年10月16日)。

 休校としていた郡山市の小学校3校について市教委は10月23日、近隣の小中学校で授業を再開させることとした(『福島民友』2019年10月19日)。

 郡山市のごみ処理施設のうち、富久山クリーンセンターが台風19号の浸水被害を受けて電気設備が水没し焼却炉が稼働できない状況となった。復旧のめどが立たない中、県内の6組合が増え続けているごみとし尿処理を受け入れることとなった(『福島民友』2019年10月22日)。

 その後、12月までかけて広域処理や富久山クリーンセンターの仮復旧に伴い、ほとんどの家庭ごみは処理された。そのため、市は、災害ごみの処理に着手した。災害ごみは、スポーツ広場など市内10ヵ所に仮置きしていたが、12月23日より災害廃棄物の処理を始め、2020(令和2)年8月までの完了をめざすとした(『福島民報』2019年12月21日)。