令和元年東日本台風(台風19号)で阿武隈川本川からの越水・溢水のほか、支川での多数の氾濫や内水氾濫により甚大な被害が発生した阿武隈川水系では、阿武隈川緊急治水対策プロジェクトに加え、流域からの流出を抑制する対策などの取組みを実施していくことで、国管理河川においては、戦後最大の令和元年東日本台風洪水と同規模の洪水に対して堤防からの越水を回避し、流域における浸水被害の軽減を図ることとした(郡山市(2021年12月2日)『郡山市公式ホームパージ『阿武隈川水系流域治水プロジェクト』』<https://www.city.koriyama.lg.jp/soshiki/126/2183.html>)。
郡山市は、改訂を進めていた洪水ハザードマップの素案を作成した。千年に一度程度の豪雨を想定した浸水想定に、台風19号の浸水区域などを加えた。2019(令和元)年度内に公表する予定で、市民に幅広く周知して防災意識の向上を図る。素案は、市が1月27日に同市で開いた市総合治水対策連絡協議会の会合で示した。浸水想定区域は従来想定の19平方キロメートルから新たにJR郡山駅周辺などを追加し、約1.3倍となる24平方キロメートルに拡大し、同駅西側の約300mにわたって約50から最大約3m未満の深さの浸水が発生するとした。台風19号による浸水区域のほか、阿武隈川の越水や溢水場所、支流の決壊場所も明記した。水防法の改正を受け、市は2018(平成29)年度から改訂作業に着手。ハザードマップはこれまで、浸水想定区域に居住する市民への配布やウェブサイトなどで公表していたが、同市では台風19号で甚大な被害が発生したことを踏まえ、約15万部を作製して全戸配布するほか、小、中学校や事務所などにも配る方針を示した(『福島民報』2020年1月28日)。