(1) 学校教育活動等への影響

a 休校そして分散登校へ

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、文部科学省は2020(令和2)年2月28日、都道府県教委や知事らに、国公私立の小中学校や高校などを3月2日から春休みまで一斉休校とするよう求める通知を出した。郡山市でも、これを受け、3月3日より春休みまで一斉休校とした(『読売新聞』2020年2月28日)。

 3月30日、郡山市立学校長会議が開かれ従来の予定通り小中学校ともに入学式、始業式をおこなうことや学校再開後の感染拡大の対策を確認した(『福島民報』2020年4月2日)。

 その後、全国に感染が拡大し、4月7日新型コロナウイルス特措法に基づく政府の緊急事態宣言が出された。郡山市の日本大学工学部、郡山女子大学、郡山女子大学短期大学部は宣言を受け授業開始を5月11日に繰り下げることを決めた(『福島民報』2020年4月9日)。同様に緊急事態宣言の対象地域拡大を受け、福島県知事の要請により学校の一斉休校が4月21日より始まることとなり、郡山市でも21日より全小中学校を一斉休校とした(『福島民報』2020年4月21日)。

 その後、5月14日より新型コロナウイルス感染拡大の影響で臨時休校が続いていた郡山市の小、中学校で分散登校が始まった。郡山市教委によると分散登校は学校再開までの措置で、1教室当たりの児童・生徒数を人との間隔を十分に取ることができる18人以内として分散登校を行うこととし、学校規模に応じて学年ごとに登校日を分けたり、クラスを分割したりして、1人当たり週2日の登校日を設けることとした(『福島民友』2020年5月15日)。


b 夏休みの短縮

 新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休校した小中学校の授業日数を確保するため、夏休みを短縮して授業を実施する。県内では多くの市町村が7月21日~8月24日の35日間を夏休みとしていたが、県教委は、学校再開に当たり夏休み、冬休みの短縮や土曜授業の実施、行事の絞り込みなどで、10日以上を目安に追加の授業日数を確保するなどの指針を示した(『福島民友』2020年6月12日)。


c 高校総体 初の中止

 全国高等学校体育連盟(全国高体連)は、4月26日、オンラインで臨時理事会を開き新型コロナウイルスの感染拡大を受け、夏の全国高校総体を中止することと決めた。1963(昭和38)年から毎年開催されてきたインターハイが中止になるのは初めてのことである。臨時理事会では、専門家の助言も踏まえて開催の可否を検討した。競技中や移動、宿泊などによる感染リスクの高さ、休校措置による練習不足でけがや熱中症の危険性があることに加え、医療機関が感染症への対応を迫られており、大会中の事故に十分な対応ができない可能性がある、などの理由から中止を決定した。インターハイは高校の運動部の選手が目指す全国大会。予選にあたる県高校体育連盟がすでに競技の大半の中止を決めた(『読売新聞』2020年4月27日)。