駅前周辺での郡山産農作物の販売を主とした、あぐり市に代表されるマルシェの開催は、新しくまちづくりに関わろうとする活動が芽生えていくきっかけとなった。震災後に食の復興に寄与する活動を目指し2011(平成23)年に発足、2013(平成25)年8月に法人化された一般社団法人食大学は、2014(平成26)年から株式会社柏屋の開成柏屋店中庭にて開成マルシェを開催、福島県内の農産物を生産者から直接購入する機会を設けた。
2015(平成27)年には、中町の郡山表参道を会場とした表参道マルシェも開催、冬期を除く月一回のペースでマルシェを開催した(食大学『食大学』ホームページ<http://www.caan.jp/>参照2023年10月10日)。
郡山市の新たな食の魅力を発信する活動も生まれ、2015(平成27)年には、郡山市と公益財団法人三菱商事復興支援財団が連携協定を締結し、特産品である果物の生産から加工、販売までを一体的に運営する新たな事業モデルを構築するワイナリープロジェクトが始動した。2015(平成27)年10月に、ふくしま逢瀬ワイナリーが果樹農業の6次産業化に向けて誕生し、翌年11月にはワイナリーショップがオープンした。以下、ホームページからその概要を引用する。
ふくしま逢瀬ワイナリーでは、福島県産の果物を原料とした酒類を製造するとともに、郡山市で栽培されていなかったワイン用葡萄の栽培に地元農家や郡山市と着手しました。
試行錯誤しながら初めての栽培に取り組んできた地元農家や、農家を支えてきた郡山市などの「福島の農業に新しい道を開きたい」という思いが実り、2019年春に郡山産のブドウで醸造した待望の郡山産ワインが初出荷、このワインは自分の家を意味する方言「おらげ」にちなみ『Vin de Ollage(ヴァン デ オラージュ)』と名付けられました。(ふくしま逢瀬ワイナリー『ふくしま逢瀬ワイナリー』<https://ousewinery.jp/>参照2023年10月10日)