(2) 郡山市男女共同参画センターにおける活動とその意義

 ユニバーサルデザインを提唱した米国のロナルド・メイス氏(前掲)と共に、バリアフリー(障壁のない)からインクルーシブ(包括的な)デザインの必要性を提起した世界的権威である英国のセルウィン・ゴールドスミス氏(Selwyn Goldsmith 1931-2011)は、日本の識者に向けてジェンダーフリー(男女平等)への取り組みが、当該分野における優先課題になることを指摘していた。

 郡山市は、男女共同参画センター(通称:さんかくプラザ)を市民活動の拠点施設として2002(平成14)年に開設した。当センターは、「男女共同参画のまち郡山」の実現を目指すために、市民が性別にかかわらず、その人権が尊重され、あらゆる分野において平等に、互いに責任を分かち合い、豊かで活力ある施策を実施し、市民及び事業者の男女共同参画推進の様々な活動を支援している。なお、郡山市は、2003(平成15)年4月に施行した「郡山市男女共同参画推進条例」に基づき、女性の積極的登用や女性の能力活用、仕事と家庭の両立支援など、男女がともに働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいる事業者を当該「推進事業者」として表彰する制度を設けて毎年度継続して表彰している。現在、同センターは、2019(平成31)年4月より公益財団法人郡山市文化・学び振興公社が指定管理者として管理運営を行っている。