(3) クラスターの発生状況

 感染症発生初期の感染拡大を防止するためには、クラスターを小規模のうちに把握し、他への感染拡大を防ぐ対策を講じることが極めて重要である。そこで、クラスターの発生状況対応についてもその概要を記載する。本市において、2020(令和2)年3月14日の第1例確認から全数把握が終了した2022(令和4)年9月25日までの間に確認されたクラスターは237件であった。発生場所別では社会福祉施設72件、児童施設62件と感染対策が困難な施設が半数以上を占めた。他に、事業所35件、教育機関27件、医療機関22件などである。比較的感染者数が少なかった第1波~第5波の期間に確認されたクラスターは36件であり、発生場所としては、事業所(13件)、飲食店(10件)が主な発生場所であった。オミクロン株に置き換わった第6波~第7波では、発生場所も大きく変化し、社会福祉施設(69件)、児童施設(61件)がクラスターの半数以上を占めた。クラスター対策は保健所が行う中核的な感染拡大対策であるが、福島県立医大や国立感染症研究所の手厚い支援を受けることができ、対応を重ねるごとに多くの経験と教訓を得た。