Covid19の感染拡大を防止するとともに、発熱患者等に適切な医療・検査を行うため、2020(令和2)年5月7日、郡山市八山田発熱外来診療所を南東北第二病院の協力を得て同施設内に開設した。また、2020(令和2)年10月1日、向河原発熱外来診療所を星総合病院の協力を得て同病院内に開設した。同診療所は星総合病院が4月28日から開設していた発熱外来を市に移行したものである。両診療所は2021(令和3)年2月28日まで開設され、この間、290人の診察、279件のPCR検査を実施し、初期の医療の確保に大きな役割を果たした。発熱外来診療所に勤務する医師は郡山医師会が参加者を募り派遣した。
また、2020(令和2)年10月1日から発熱外来診療所に併設する形でPCRセンターが2ヵ所設置された。初期にPCR検査を実施する医療機関が少なかったため、市内医療機関からの依頼によりPCR検査を行う施設として2022(令和4)年3月31日まで運営された。この間、245件の検査が実施され、44件の陽性が確認された。
Covid19感染症患者を含む初期救急医療体制の確保のため、郡山市休日・夜間急病センターでは、初期から一般の救急患者と発熱患者を分離するため、仮診療施設(プレハブ5棟)を設置した。また、発熱患者には医師と患者が直接接触しないタブレット診療方式を導入して、医療従事者の感染防護を徹底しつつ初期救急機能を発揮した。この体制を確立した2020(令和2)年10月1日から2023(令和5)年5月7日までの間、Covid19感染症が疑われた患者に8,984件のPCR検査等を実施し、5,269人の感染者を確認した。
当初、数ヵ所に限られていたCovid19感染症が疑われる患者の診療・検査を行う検査診療機関は、その後の郡山医師会の積極的な取り組みにより次第に増加し、2023(令和5)年5月8日には130ヵ所まで拡大した。