(1) 救急医療体制の確立

 入院治療が必要な重症救急患者に対応する郡山市内の6病院からなる「市第二次救急病院協議会」は、2013(平成25)年8月29日に郡山市に対し、財政支援の強化と医療従事者への負担軽減の方策を求める要望書を提出した。東日本大震災や東電の原発事故の影響等で県中地方の医師が慢性的に不足している中、近隣市町村の重傷者も運ばれてくるため医師らの確保が難しく、協議会の寺西院長は「夜間救急勤務を終えた医師が次の日も通常通り勤務せざるを得ない」(『福島民友』2013年8月31日)と救急医療体制の逼迫した状況を市に説明した。

 郡山市の民間病院の救急体制の諸課題の解決に向けた「郡山市救急医療体制の将来を考える会(土屋繁之郡山医師会長)」が、2019(令和元)年10月2日に保健所で第1回の会議を開き、施策の立案や実行につなげる方針を打ち出していくことを決めた。

 2020(令和2)年10月に、総合南東北病院に救急診療と総合診療の両部門の医師が共同で患者を診察する「救急・総合診療科(院内標榜)」をスタートさせた。救急に総合の専門医が加わることで、より迅速で適切な初期診療が可能となった。