医療に必要な血液製剤を確保するため、郡山市保健所は福島県赤十字血液センター、郡山市献血推進協会等の関係者と連携して市民に対する献血思想の普及を図り、福島県献血推進計画に基づく郡山市の献血目標量の達成に努めた。
表3は、2012(平成24)年から2021(令和3)年までの10年間に、郡山市における献血者数と各年度の目標達成率の推移を示したものである。
献血活動には、多くの市民や市内の各種団体、企業などの組織的な協力が大きく貢献しており、2012(平成24)年度から3年間は目標を上回った。
年度 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平成24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 令和元 | 2 | 3 | |
献血者数 | 24,151 | 25,151 | 23,212 | 9,432 | 8,918 | 8,499 | 7,812 | 7,619 | 7,451 | 7,308 |
目標達成率 (%) |
116 | 123.9 | 117.4 | 98 | 97.5 | 98.2 | 96.8 | 95.7 | 92.7 | 73.3 |
出典:郡山保健所事業概要(平成24~令和4年度)より作成 |
郡山市献血推進協会が2012(平成24)年度に実施したイベント数は33に上り、その中で、最多は10月13日にビッグパレットふくしまで開かれたハートフルサタデー献血イベントで717人が、次に、8月5日の陰山建設の「愛の献血イベント」で668人が献血に協力した。その他、100人以上が献血したイベントも13あり、市の担当者は「イベントで献血バスを増やしたことに加え、市民の献血意識の向上もあるのではないか」と話した(『福島民友』2013年5月30日)。
郡山市の献血活動は、推進実行委員会(会長・過足満雄郡山大新青果社長)の下に市内の青果、車販売、損保、冠婚葬祭などの異業種が幅広く集い、社会貢献の一環として活動を続けており、民間が献血協力を推進するという全国の献血活動のモデルケースとなっている。また、実行委員会の活動は血液の確保にとどまらず、市民や若年層にまで協力の裾野を広げている点でも意義が大きいと言える。さらに、市内では陰山建設や中小企業家同友会も同様の取り組みを続けており、市民の献血に対する理解の土壌の醸成に大きく貢献してきた。
近年、若年層の献血者数の減少が顕著なことから、将来の献血基盤となる若年層への対策がより重要になるとし、副会長を8人に増やすなどして組織体制の強化を図った。2021(令和3)年度は、コロナウイルス感染症の影響もあり、献血目標達成率は73.3%に留まった。