高齢者が健やかに生活していくため、介護、医療などの相談支援体制の充実と日常生活を支援する体制の推進を図るため、地域包括支援センターや市直営の基幹型地域包括支援センターが高齢者から相談を受け、総合的な支援を行っている。さらに、高齢者の権利擁護の推進や高齢者、地域での課題解決のため地域ケア会議を実施している。事業内容は(1)相談支援・情報提供の充実、(2)日常生活を支援する体制整備の推進、(3)地域ケア会議の充実、(4)高齢者の権利擁護、(5)放射線に関する健康管理の推進がある。
(1) 相談支援・情報提供の充実
相談支援・情報提供の充実には、1.地域包括支援センターの機能強化がある。地域包括支援センターは、高齢者が尊厳ある生活を続けられるよう、心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な相談・援助等を行うことにより、保健医療の向上及び福祉の増進を図り、包括的な支援を行う。また、郡山市が目指す地域包括ケアシステム構築の中核拠点として関係機関とのネットワークの構築を推進し、高齢者の様々なニーズに柔軟に対応できる高齢者保健福祉の「ワンストップサービス」の拠点となることを目的に設置している。郡山市では、高齢者数の増加に伴い相談数が増加し、相談内容も多様化していることから、2019(平成31)年に職員の配置基準を見直した。このほかにも、2.基幹型地域包括支援センターによる支援の充実、3.多機関との連携による相談体制の強化、4.災害時等における相談支援体制の確保、の事業を実施している。
(2) 日常生活を支援する体制整備の推進
日常生活を支援する体制整備の推進では、1.生活支援コーディネーターの配置、2.協議体活動の推進、3.他事業との連携がある。単身高齢者、高齢者のみの世帯、認知症高齢者等の増加により多様化する生活支援・介護予防ニーズに対応するため、郡山市全域を対象として各地域への生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置や、協議活動を推進している。これにより多様な主体による多様なサービス提供体制を構築することにつながり、高齢者を支える地域づくりを推進している。
(3) 地域ケア会議の充実
地域ケア会議の充実では、地域包括ケアシステムの深化・推進を目的としている。高齢者支援に関わる各関係機関等多職種の連携強化を図り、地域の特性や高齢者の実情に即した高齢者施策等の検討を行うため、市及び地域包括支援センターにおいて地域ケア会議を開催した。この地域ケア会議には、地域ケア推進会議、地域ケア圏域会議、地域ケア個別会議があり、円滑に実施するための環境整備を図り、課題の検討・解決のため多職種との連携が実施されている。
(4) 高齢者の権利擁護
高齢者の権利擁護では、高齢者の虐待や消費者被害の増加など、高齢者やその世帯が抱える課題が社会問題化していることから、地域包括支援センターや関係機関と連携し、高齢者虐待、消費者被害等の早期発見・早期対応に努め、成年後見制度利用の推進などによる、判断能力が十分でない高齢者への支援を実施している。
(5) 放射線に関する健康管理の推進
放射線に関する健康管理の推進では、ホールボディカウンターによる内部被ばく検査の実施や、市民が持ち込む野菜等に含まれる放射能検査を実施することで、長期的な健康管理を図っている。