2 生活困窮者自立支援制度

 生活困窮者自立支援制度は2015(平成27)年4月から始まった新しい制度である(図3)。


(図3:厚生労働省社会・援護局『厚生労働省ホームページ』「生活困窮者自立支援制度について 平成27年7月」(P.2)<https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000499760.pdf>)

 この制度は社会保険制度・労働保険制度、そして生活保護制度の中間にあたる制度として位置づけられ、三層にわたるセーフティーネットの構造が示されている。本制度では生活困窮者を「就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいう」としている(生活困窮者自立支援法第3条)。生活保護に至る前に「生活困窮者の自立と尊厳の保持」(同法第2条)を図りながら支援を行うこと、また生活保護から脱却した人が再び生活保護に頼らないように生活保護制度と一体的な実施が不可欠であるとしている(図4)生活困窮に至る問題として経済的な困窮だけを捉えず、その背景に着目して制度が構成されている。これにより全国で相談窓口が開設されることになった(図4)。


(図4 厚生労働省『厚生労働省ホームページ』「新たな生活困窮者支援制度の創設」(p.13)<https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/seidogaiyou.pdf>)